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2012年3月アーカイブ

ミューザ川崎シンフォニーホール「震災被害調査報告書」発表

 昨年3月11日東日本大震災が発生し川崎市に大きな被害があ牲ました。特にミュ-ザ川崎シンフォニーホールのつり天井が落下した間題で、市は12日、財団法人日本建築防災協会に委託した『震災被害調査報告書」の最終版を市議会市民委員会に報告しました。つり天井を支える鉄骨の筋交いが完成図面どおりに設置されていないことが2月に明らかになっており、報告でも「筋交いの偏りにより、大きく複雑なねじれ振動が出たと考えられる」と指摘しました。
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【音楽ホールの壁について】
 音楽ホールの壁については、止手側後部の8階床面+1m付近について、防火区画壁を構成する無機繊維強化石こうボード等の一部が切断されたとみられる場所があることが判明しました。その後施行業者から「当該場所には図面に表記されている防火区画の壁が必要である」との回答が得られました。また、設計図面と現況の相違については、「工事請負者から報告を受けた事実が確認されておらず、経緯等を把握するため、工事請負者に対して施行状況の調査等への協力を要請したが、現時点では情報が得られていない」との回答でした。
 その後、新築時関係者からの要望を受け、現場確認を行ったところ、工事請負者清水建設(株)から、「壁面を切断して天井を納めようとしたものと推測されますが、引き続き関係者に事情を確認するなど調査を行います」との文書による回答を得ています。
 当該場所については、復旧工事の進捗状況等を考慮し、囲面のとおり防火区画壁を復旧していかなければなりません。
【ふどう棚の筋交いについて】
 ぷどう棚の筋交いについては、図面ではぶどう棚を支持する吊り柱に筋交いを22箇所設置するように記載されておりますが、現況は18箇所しか設置されていないことが判明しました。被害調査報告書では「ぶどう棚の筋交いが偏っていることによるねじれにより、大きく揺れた可能性がある」と報告されており、耐震安全性を確保するため、4箇所の筋交いを設置していく予定です。
 なお、施行業者から「当該箇所のプレースについては、当初予定されていたが、設計者による屋根
トラス鉄骨の形状決定から、ぶどう棚鉄骨の形状決定までの間に、ダクトや舞台装置との干渉などの理由から、設計者により中止とする設計変更がなされ、設置されていないと思われます」との文書による回答を得ています。
 今後製造者責任が求められていくことになります。